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失敗のお話

 今日は失敗の話をしていこうと思います。

 キカラシという花をご存じでしょうか?漢字を含めると黄カラシになります。想像の通り黄色い花を咲かせ、一面に咲けば黄色い花畑となり、キレイな景観となります。菜の花畑はご存じでしょうか?まさにその様になります。

菜の花ではなく、キカラシにこだわった理由

 黄色い花畑を作るだけなら菜の花方が優れています。菜の花の方が花の塊は大きいですしネームバリューもあります。「菜の花畑」と調べる人が圧倒的に多く、「キカラシ畑」と調べる人は希でしょう。中山間地域に注目して貰うためには菜の花が圧倒的に有利です。

 それでも私はキカラシにこだわりました。それは土壌消毒ができるからです。「土壌消毒」とは土に生息している細菌や害虫などを殺すことです。カラシナには「アリルイソチアシネート」という成分が含まれており、これが殺菌に役立つと考えられています。目時ら(2005)は栽培前にカラシナをすき込むとほうれん草の病害軽減効果があると示唆しました。従来の方法である太陽熱消毒を行って栽培したほうれん草は約53%も出荷不良になったのに対し、カラシナをすき込んだ試験区では約24%まで低減しましたと報告されています。

 慣行的手法と比較し殺菌効果が2倍近くも出ています。この研究では草丈も計測されており、太陽熱消毒では15.3cmに対し、カラシナ消毒は18.3cmと収量の増加も実現しています。

 殺菌の効果をもつカラシナを選んだのは必然的だと思います。

殺菌の手法には農薬を使う手もある

 農薬で殺菌を行う方法もあります。労力はカラシナを栽培するのと大差はありません。しかし、有機物をすき込めるかが最大の違いです。これが分かれ道だと考えています。

 農薬はまさに皆殺しにします。病原菌は当然ですが、栽培に必要な細菌も同時に殺してしまいます。土壌中では有機物が分解されアンモニア態窒素となり、アンモニア態窒素が細菌の作用を受け硝酸態窒素となり作物へ吸収されます。ほとんどの菌を殺してしまったら、この流れは起きません。しかし有機物がそこにあればどうでしょうか。有機物を分解する菌が爆発的に増え、次にアンモニア態窒素が爆発的に増え…。という流れが出来ます。病原菌は宿主がいないと増殖できませんから、有用な菌が優占しやすい状況になると考えます。

 という考えが有ったので農薬ではなくカラシナを使用したかったです。

失敗

 4月の初旬にキカラシの種を農地一面に播きました。今頃、黄色い花畑になっていてもおかしくないです。しかし、現実は草が生えているだけです。よく見ると、黄色い花がポツポツとあります。

キカラシの花

 主役であるはずのキカラシが肩身狭く咲いています。

 かなり悲しい気持ちになりました。

なぜ咲かなかったか

 発芽は確認していました。ぱっと見ですが8割ぐらいは芽が出ていました。しかし大きくなったのは一部だけでした。以下の原因が考えられます。

原因1:霜がおりた

 播種時期が4月上旬であったため霜が降りて新芽がしんでしまった可能性があります。植物が小さいときに新芽がやられてしまうと葉を展開出来ず、大きくなりません。

原因2:排水が悪く、水浸しになってしまった

 もともと水田ですので、水が集まりやすい立地に農地があります。水が抜けないと水浸しになり、植物は窒息します。

原因3:雨が少なかった

 雨が2週間以上降らない時がありました。水分が足りず、枯れた可能性があります。

原因はこれかな

 原因1が咲かなかった理由だと思います。植物体が小さいときに霜が降りてしまい新芽が死んだと考えます。原因2は農地の周りに溝が掘ってあり、排水は良好です。さらに、カラシナの根がそこまで深く伸びていないため、窒息するとは考えずらいです。

 ではどういった対処方法があるでしょうか。播種する時期を我慢する、があります。5月に播き7月の開花を目指します。逆にもっと早める方法もあります。9月ごろに播くのも一つの手です。

最後に

来年のためのカラシナはいつ播こうか、検討していきます。来年こそは黄色い花畑にしたいです。

———参考文献———-

目時梨佳 茂市修平 菅原英範 佐藤美和子:2005 カラシナ鋤込みによるホウレン草萎凋病軽減効果 東北農業研究,58号

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