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前回→https://junnousan.work/2022/03/27/super-processed-foods/

 「食欲」※1を読めば、ヴィーガンがいかにご都合主義か分かると思います。予め言いますが、「食欲」では決してヴィーガンを否定もしていませんし、肯定もしていません。

 今回のタイトルからも分かる様に私はヴィーガンが嫌いです。しかしこの場でヴィーガンが嫌いだと発信していてはただの私怨に過ぎません。感情的な部分は置いといて、菜食主義とは異なるヴィーガンがいかに狭い視野でしか物事を見ていないか説明していきます。

ヴィーガンの定義

 ヴィーガンを知らないとヴィーガンを否定できません。ヴィーガンはヴィーガニズムという思想に基づいています。簡単に表すと「肉や魚などの動物性食品を食べない・動物への残酷な行為をしない」です※2。前者は菜食主義と異なり乳製品や卵も完全に食べません。後者は鞄や財布などの天然の皮を使用した製品を使わない、動物実験をしないが含まれます。


動物性食品をたべない

脂質から

 ヴィーガンが食べられるのは植物性食品のみになり、脂質の摂取量が減少します。ナッツ類から脂質は摂取可能だと反論されますが、摂取できる脂質の種類は減少します。これがどういった悪影響を及ぼすか想像できるでしょうか。

 大隅典子氏の論文「高度不飽和脂肪酸および脂肪酸結合タンパク質の神経新生に対する役割」※3で新生児から成人までのステージで脂質が必要になると述べています。脂質は細胞膜を構築するために必要であり、新生児は母乳からDHAやARAといった多価不飽和脂肪酸を摂取し、発達中の脳で盛んに細胞膜を構築し、脳が成長します。成人では脳内で新しい神経が作られないとうつ病になりやすくなります。ラットにDHAを投与し、神経細胞の分化が向上しました。

 度々出てくるDHAは皆さん良く耳にし、なんとなく体に良いと言う認識があると思います。サプリメントとして販売されているぐらいです。このDHAはサバやサンマ、イワシといった青魚に多く含まれています。つまり、新生児の母親がヴィーガンだった場合、子どもの脳の発達が遅れる可能性があります。成人では脳内の神経細胞が作られず、社会のストレスに負けてしまい、うつ病になってしまいます。

脂質の話を無視したとしても

 仮に、ヴィーガンが脂質の問題を何らかの形でクリアしたとします。彼らが食べるのは米、麦といった穀物、ほうれん草小松菜などの葉菜類、トマトやナスの果菜類、大根や人参の根菜類、リンゴやミカンの果物類でしょうか。これらの野菜を土で栽培すると必ずといっていいほど「堆肥」が関係してきます。堆肥の種類は千差万別ですが家畜の糞を原料にした牛糞堆肥、豚糞堆肥、鶏糞堆肥が主流です。乳用牛や肉用牛がいるから牛フン堆肥があり、化成肥料を減らせます。ヴィーガンが推奨する世界では堆肥が容易に入手できず、化成肥料を大量投入せざるを得ない状況であり、SDGsが掲げる持続可能な社会に背を向けています。

 彼らは「有機野菜」を推奨しているかもしれません。この「有機」には先ほど例に挙げた○糞堆肥も含まれています。彼らが崇拝している有機野菜はヴィーガニズムに反する畜産業の恩恵を存分に受けて成り立っています。

 実際に私もナスを栽培する農地に2t/10aの堆肥を投入しています。窒素量で約17kg投入した計算になり、費用は4000円です。これだけを化成肥料で賄うと窒素量14%の肥料が120kg必要で1万2000円かかります。金額を比べ、堆肥の方が有利です。また、堆肥は窒素以外に微量元素も含み、生物性が豊かになるなど副次効果が沢山あります(いずれ解説します)。

 店頭にある「トマト」だけを見て、ほうれん草だけを見て背景にある栽培を見ない。ほら、ご都合主義でしょ?


動物への残酷な行為をしない

動物実験

 ヴィーガンは動物実験も否定します。私も動物を無意味に殺すのは反対で例えばペットショップの裏に潜む殺処分も同様です。象牙を取るために、虎皮を取るためといった野生動物の乱獲も反対です。しかし動物実験は文明社会にいる人間なら必ずその恩恵を受けています。「食欲」の本では様々な動物実験が紹介されています。これらの実験の結果から人間の食欲がタンパク質に依存している事実にたどり着きました。また、栄養学では動物実験無しでは進展しません。脳の発達にDHAが必要なのはラットにDHAを与えた場合と与えなかった場合を比較した実験から分かっています。

 化粧品も炎症を起こさないか何度も動物実験を繰り返しています。医薬品も動物に投与し無害かを確認した後、人で治験して流通します。

 農薬も安全性を確認するために動物実験をします。マウスやイヌ、人に近いと言われるサルで安全性の実験をします。安全性が確認できて初めて農薬が利用できます。

 私たちの体に塗る物(化粧品)や飲食する物(食べ物、薬)は動物実験無しに発展出来ませんでした。ヴィーガンはこのことに目を背けています。


彼らは幸せかもね

 ヴィーガンは自分の目の前にある物だけに注目しその背景にある事実は見ない。自分が信じる世界だけで生きていければきっと幸せだと思います。

 私はヴィーガンという思想は嫌いですが、ヴィーガンをやめろ!と強制はしません。だからヴィーガンの方も他人に強制するのはやめてください。それは自分の子であっても、です。ヴィーガンが寿命を縮める可能性を孕んでいるからです。「食欲」を読めばそれが分かります。

参考文献 

※1デイヴィット・ローベンハイマー スティーブン・J・シンプソン 訳 櫻井祐子 (2021):科学者が語る食欲 サンマーク出版

※2Wikioedia(2022/4/3) ヴィーガニズム

※3大隅典子 (2011):高度不飽和脂肪酸及び脂肪酸結合タンパク質の神経新生に対する役割 オレオサイエンス第11巻10号

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