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イチゴの外品について

イチゴの外品は結構出ます。研修を始めて、イチゴの形はこんなにも変形することに驚きました。

奇形果
正常なイチゴ

左の写真は奇形果で、規格外品となり市場に出荷出来ません。右のイチゴはスーパーの棚、あるいはショートケーキの上で見かけるキレイなイチゴです。このイチゴは皆さんにとってなじみが深いイチゴだと思います。奇形果は市場に出回ることがないので一般消費者はなかなか知ることができません。私も研修を行う前は先が潰れたようなイチゴが実ることは知りませんでした。

左の奇形果は呼び方が人によって変わります。詰まった様な見た目から先詰まり果、絞っている様に見えることから先絞り果とも呼ばれます。見た目のままです。


研修所での課題

研修所のビニールハウスは2棟のハウスが東西に延びています(南北に建てるのが望ましい)。そのため、一つのハウスが陰になってしまい、温度が上がりにくい、ハウスごとの日照が異なるといった問題点があります。一方のハウスの収量はもう一方の1/2程度になってしまい、その上ほとんどが奇形果になってしまいます。

同時間のA棟とB棟
A棟(左が南、正面が西)
B棟(左が南、正面が西)

奇形果になる原因

未熟な先詰まり果
熟した先詰まり果

未熟な健全果
熟した健全果

未熟な状態で先詰まり果になった物は熟しても、先詰まり果のままで、途中で健全なイチゴにはなりません。逆に未熟な状態で健全なイチゴであれば、そのまま肥大成長して立派なイチゴになります。花、あるいは受粉してから、どこかの成長段階で先詰まり果になるか、そうでないかが決定しているのではと考えました。

森らによる先行研究※1

森らの研究ではアイベリーという品種のイチゴを使用した実験で開花から経過した日数別に受粉させ、果実の基部と先端部の成熟を判定し、成熟果率を求めました。受粉したのが開花日に近いほど基部で果実の成熟が見られ、先端部では成熟が見られませんでした。逆に日数が経過してから受粉した場合、先ほどの逆の現象が起きました。これは基部と先端部の分化する速度が違うため、先端部と基部の受精能力を獲得する時期が異なることで先詰まり果が発生すると報告しています。

問題に立ち返る

受粉するタイミングによって奇形果になるか、そうでないかが決定すると分かりました。A棟ではほとんどが正常なイチゴであり、B棟では奇形果が多いです。A棟のイチゴでは基部と先端部の分化が適切に行われている、または受粉するタイミングが良かった可能性があります。B棟では基部の分化が著しく早い、あるいは先端部の分化が遅い可能性があります。または受粉するタイミングが早かった可能性があります。

受粉のタイミングが原因である可能性は希薄です。理由として受粉を目的とした蜜蜂を放飼しており、1週間ごとに放つハウスを変えていますが、1週間の間に咲く花もあれば、すでに咲いている花もあります。受粉に関して同じ条件下であるため、これらが原因であればA棟、B棟ともに奇形果の比率は同じになるはずです。しかしB棟で奇形果が多いので別の要素が原因だと考えます。

何が原因なのか順番に考えていきたいと思います。


参考文献

森利樹・庄下正昭・西口郁夫1994:大果系イチゴ品種 ’アイベリー’ の先詰まり果発生原因とその対策(第1報)発生原因の解明と各種関連要因の推定, 三重県農業技術センター研究報告22号, p1-6

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